律宗総本山の唐招提寺。
唐の高僧・鑑真が私立学問道場としたことに端を発します。
平成大修理で蘇った唐招提寺金堂。
美しい屋根やエンタシスの柱を持つ国宝です。
律宗は戒律を重んじる宗派として知られます。
そう、とても厳しい宗派なのです。
律宗の教えに従うと、他人の持ち物を欲しがるだけで「盗んではいけない」という教えに背くことになります。
アレいいなぁ~、欲しいなぁと心の中で思うだけで、実際に盗んだことになるのです。
何とも厳しい教え・・・
それもそのはず。
律宗の信者は、行動の身(しん)、表現の口(く)、精神の意(い)すべてにわたって戒律にかなったふるまいをしなければならないとされます。
在家の信者が守るべき戒律として定められた五戒の他にも、一日一夜の期限を限って、五戒に3つの戒めを加えた八斎戒を守って過ごせとも教えています。
付け足される3つの戒めとは・・・
無用に飾ってはいけない
高いベッドに寝てはいけない
昼を過ぎてからものを食べてはいけない
というものです。
高いベッドはご法度なんですね。
ものを食べるのは午前中だけ、というのはある意味健康的なのかもしれません(笑)
華麗なる薬師寺に比べ、唐招提寺の質実剛健さは際立っていますが、八斎戒の中の「無用に飾ってはいけない」という項目に、思わず納得してしまいます。
お問合わせ窓口 ; TEL 0744-42-6003