藤原宮跡の近くにある小房(おふさ)観音。
おふさ観音は奈良県屈指の薔薇の名所として知られます。
おふさ観音に咲く薔薇。
春と秋の一年に二回、入場無料のバラまつりが催されます。
境内は様々な種類の薔薇で埋め尽くされています。
色とりどりのバラが咲く様子は、仏様の世界にも例えられ、「花まんだら」と呼び習わされます。イングリッシュローズをはじめ、1,500種類もの薔薇が開花します。
おふさ観音は、正式には「観音寺」と言います。
ご本尊は十一面観音。
比叡山北谷の観音院本尊を、慶安3年(1650)に小房の地に遷座したことに始まります。
かつてこの辺り一帯は、鯉ヶ淵(こいがふち)と呼ばれる大きな池でした。
慶安3年の4月早朝、土地の娘のおふささんが池の辺を歩いていると、白い亀の背中に乗った観音様が現れました。そこで、この池に小さなお堂を建て、その観音様をお祀りしたのがおふさ観音の縁起とされます。
おふさ観音の絵馬にも、その由来がしのばれます。
白い亀の背中に乗った観音様の出現シーンですね。
おふさ観音の縁起にちなんでか、境内の池には亀が放し飼いにされています。
ご存知のように、亀甲(きっこう)は吉祥の象徴でもあります。お醤油のキッコーマンの名前の由来にもなっていますよね(笑) お寺に亀が居る・・・それだけで縁起の良さが伝わって参ります。
ここは薔薇の楽園です。
奈良県内の薔薇の名所と言えば、北の霊山寺に南のおふさ観音といったところでしょうか。
安倍文殊院からおふさ観音まで続く大和長寿道。
その道程は約4㎞で、徒歩1時間ほどでアクセスすることができます。
オレンジ色の薔薇も実に見事な咲きっぷりです。
薔薇と一口に言っても、実に様々な色合いを楽しむことができます。
おふさ観音の鐘楼。
釣鐘には「生かせ命」と書かれていますね。
現在のおふさ観音は、「生かせ命の寺」としても知られるようになりました。
高野山真言宗の別格本山「おふさ観音」。
神武天皇の橿原神宮、久米仙人の久米寺、藤原宮跡などにも程近く、橿原市観光のおすすめ観光スポット。車で移動する場合には、明日香村へのアクセスにも大変便利です。
春のバラまつりの開催期間は、5月15日~6月30日まで。
公共交通機関をご利用の場合は、JR畝傍駅より徒歩10分、近鉄大和八木駅より徒歩25分・バス8分(バス停「小房」下車)です。当館大正楼からのアクセスは、お車で約10分ほどの距離となっています。
<おふさ観音の関連情報>
お問合わせ窓口 ; TEL 0744-42-6003