仏像の印相をご案内致します。
仏像の手が作っている形のことを印相(いんぞう)、あるいは印契(いんけい)と言います。様々な種類がありますが、どれもお釈迦様の仕草に由来していることから、如来像の象徴とも言えます。
禅定印。
両手をお腹の前で重ね、親指の先を合わせる印相です。
深い瞑想に入る時の形とされます。
奈良国立博物館に於いて特別展が催されていました。
仏像の印相展示は、東新館(仏像修理100年)と なら仏像館(至宝の仏像)をつなぐ地下通路に於いて行われています。
降魔印。
修行の邪魔をする悪魔を追い払うときの印相です。
指先で地面に触れ、悪魔を退散させます。降魔印(ごうまいん)という音の響きがいいですよね。
写真の仏像は、”試みの大仏”と呼ばれる東大寺の弥勒如来坐像です。
智拳印。
智慧(ちえ)を表す印相で、密教の教主である金剛界大日如来が結びます。
写真の仏像は、若き運慶のデビュー作と伝えられる円成寺大日如来坐像ですね。
説法印。
手のひらを広げ、指を曲げて印を結びます。
指の曲げ方には数種類ありますが、どれも人々に説法をするときの形です。
施無畏印と与願印。
両方がセットになって最もポピュラーな印相を表現しています。
肘を曲げて手のひらを正面に向ける施無畏印(せむいいん)は、施し与える姿を表します。手のひらを前にして下におろす与願印(よがんいん)も、施し与える姿を表しており、怖れを除いて願いを聴こうとする姿勢が表現されています。
仏像鑑賞の際、仏像が結ぶ印の意味を知っていれば、仏像との出会いも深まっていくのではないでしょうか。
◇お釈迦様の誕生 お母様の右脇からお生まれになられました!
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