青石橋の由来をご案内致します。
天理市丹波市町の市座神社境内に青石橋という、2mほどの大きな一枚岩(青石)があります。
青石橋の裏側。
2つの穴が開けられていますね。
正面から見ると、こんな感じです。
向かって左側に本殿、右側に北極星を神格化した妙見大菩薩を祀る妙見社が佇みます。
正面から見た上の穴。
同じ穴を裏側に回って見てみると、こんな感じです。
穴の大きさが違う!
漏斗の形を思わせます。
古墳時代によく見られる、石や玉の穴の空け方のようです。
市座神社の御祭神は事代主命。
歴史的佇まいの丹波市町に鎮座しています。
青石橋の穴ですが、地元の人の間では「馬が踏み抜いた跡」とも伝えられていますが、どうやら運搬時に綱を通すために設けられた穴ではないかと思われます。
元々は古墳の石棺に用いられた蓋だったのではないかとも言われています。
青石橋の右手前に丹波市町道路元標がありました。
丹波市という名前には歴史があり、既に平安期に荘園名として誕生しています。
丹波市の地名の由来は、丹波国から市神である夷神を勧請したことに因むのではないかと言われています。市座神社の鳥居左手に、市の守り神である蛭子(恵比寿)社が祀られていることからも類推できます。
市座神社の前を通る道路に、昔のアーケードを思わせる屋根掛けが見られます。
商売繁盛の神に見守られながら発展してきた丹波市町の歴史が垣間見えます。
先ほどは上側の穴をご案内致しましたが、今度は正面から見た下側の穴。
同じ穴を裏側から見ると、こんな感じです。
こちらも穴の大きさが異なりますね。
古代人の穴を空ける技術には感服致します。
石棺の蓋として用いられていた青石橋ですが、市座神社から北へ100mほどの布留川南流に橋として架けられていた歴史も持ち合わせます。
明治40年に橋の架け替えが行われ、市座神社の境内へと移ってきました。
数多くの人馬が踏みしめてきた、有用な橋だったんですね。
改めて感慨深いものを感じます。
市座神社へのアクセスは、JR万葉まほろば線天理駅から徒歩10分ほどとなっています。
お問合わせ窓口 ; TEL 0744-42-6003