薬師寺金堂前の灯籠をよく見てみると、音声菩薩が彫られているのが分かります。
楽器を奏でる菩薩様。
音声菩薩と薬師寺金堂。
金堂前に於いて音楽ライヴが度々催されることを考えると、音声菩薩の存在も頷けるような気が致します(笑)
昔も今も、音楽は心の癒し。
美しく奏でられた音を聴いて、多くの人々が平穏な心を取り戻したことが容易に想像できます。
薬師寺金堂前の燈籠もそうですが、東大寺大仏殿の前にある金銅八角燈籠は国宝にも指定されており、とても有名な燈籠ですよね。
東大寺の八角燈籠にも、同じように音声菩薩が彫り込まれています。
背後に見えるのは薬師寺東塔。
「凍れる音楽」と称される白鳳時代の国宝です。
裳階(もこし)を付けた三重塔で、その律動的な美しさが保たれています。
薬師寺白鳳伽藍に囲まれていると、まるでオーケストラの演奏を聴いているような錯覚に陥ります。
電話の普及によって、いとも簡単に空間を飛び越えた音の世界。
空間と対比される時間を超えるためには、蓄音機やレコードが必要でした。
しかし残念ながら、白鳳時代の音を今に蘇らせることは出来ません。
聴覚ではなく視覚で音を感じる・・・。
そんな雰囲気にさせてくれるのが薬師寺の魅力ではないでしょうか。
音声(おんじょう)という音の響きもいいですよね。
音声(おんせい)とは違った語感で迫ってきます。
音声(おんじょう)という言葉から、奈良町にあるわらべ歌の館「奈良市音声館」を思い出しました。教室やコンサートも開かれていて、ちょっとした穴場スポットになっています。
奈良観光の際には、音声(おんじょう)にフォーカスしてみるのも面白いかもしれませんね。
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