1月末に法事の予約が入り、大人数でご会食頂ける二階の大広間をご準備させて頂きました。新年会の多い1月ではありますが、親類縁者の集まる法事の数も結構増えて参ります。一月のことを睦月と申しますが、読んで字の如く、「仲睦まじくする月」ということに由来するのでしょうか。
奈良県桜井市三輪の大正楼の法事会場。
睦月、如月、弥生と続く日本の暦。
2月の如月は着物を更に重ねて着る「着更着」に由来し、3月の弥生は「いよいよ生い茂る」ことに因みます。気温が低下して重ね着を余儀なくされる二月を如月(きさらぎ)と表現する日本人の感覚は、四季に恵まれ五感をフル活用してきた歴史に起因するのかもしれません。いよいよ栄えることを弥栄(いやさか)と言いますが、草木の生い茂る三月を弥生と表現するのも頷けます。
料理旅館大正楼の法事・法要プランをご案内致します。
- 菊(き く)プラン お一人様税込8,400円の会席料理
- 蓮(は す)プラン お一人様税込6,825円の会席料理
- 偲(しのび)プラン お一人様税込5,250円の会席料理
お料理内容は全て季節の会席料理となっております。
「法事のお席には黒い料理がいい」、そのように私も親から教わって参りました。黒い食材といえば、黒胡麻、黒米、黒豆、黒糖、ひじき等が思い浮かびますが、当館ではよく黒胡麻豆腐をお出ししております。
そもそも、なぜ法事に黒なのでしょうか?
私の推測に過ぎませんが、高松塚古墳の壁画などでおなじみの四神の考え方に基づいているのかもしれません。東西南北に配された四神を表す色はそれぞれに決まっています。東の青龍は青、南の朱雀は赤、西の白虎は白、北の玄武は黒という具合に、四者四様の色分けがされています。人の死をイメージさせるのは、やはり北の方角です。北枕という言葉もあるぐらいですから、やはり北は人の死と結び付いているのでしょう。
時計の針で言うなら、午前零時を指します。当然、辺りは真っ暗闇です。黒をイメージするには十分ではないでしょうか。
今回の黒胡麻豆腐にはお味噌を掛けて供します。
冬に美味しくなる牡蠣を使って手作りの味噌を作ってみました。まずは牡蠣を細かく切って炒めます。水分が飛んだら、蜂蜜と味噌を1対1に配合したハチミツ味噌に合わせます。さらにそれを、白玉味噌に柚子を溶いた柚子味噌に合わせてみました。様々な味が混じり合って、冬の味覚が凝縮されたお味噌の完成です。
黒胡麻豆腐には、昨年話題になった塩麹や胡桃も入っています。
黒いといえばイカスミなんかも黒いなぁと、ふと頭をよぎります。午前零時を指した時計の針は、刻々と時を刻み続け、好むと好まざるとに関わらず必ず朝はやって参ります。明けない夜は無いのです。
代々受け継がれる人の命にも似ています。
お正月の睦月に親類縁者が集まる法事。昨日の法宴プランでは、とても微笑ましい光景に出会うことができました。
お問合わせ窓口 ; TEL 0744-42-6003