奈良市西紀寺町に璉珹寺(れんじょうじ)というお寺があります。
早良親王を祀る崇道天皇社にも程近い場所に佇みます。毎年5月1日から31日までの一ヶ月間、秘仏の阿弥陀如来立像が拝観できるとあって、数多くの参拝客が訪れていました。
璉珹寺に咲くニオイバンマツリ。参拝客が本堂に安置された阿弥陀如来立像(女人裸形阿弥陀仏)を拝観するために、建物の中へ入ろうとされているところです。
匂蕃茉莉(ニオイバンマツリ)はナス科の花なんだそうです。
ブラジル南部やアルゼンチンなどの南米に端を発する花で、別名をブルンフェルシアと言います。初夏の日差しがまぶしい境内に彩りを添えています。
璉珹寺の近くに特別開帳を案内する広告チラシが貼られていました。
桜井方面から奈良へ車で向かう際、奈良ホテルや奈良公園の手前で見る紀寺という地名。紀寺とは、元々璉珹寺のことを指しており、紀氏の氏寺として栄えた歴史を持ち合わせます。
璉珹寺の門前の通りから北へ目をやると、興福寺の五重塔が見えます。京都の東寺に次いで二番目に高いと言われる興福寺の五重塔。ここは古都奈良を身近に感じることのできる静かな場所です。
璉珹寺のオオヤマレンゲ。
私が訪れた時はまだ蕾の状態でした。
ニオイバンマツリと並んで、初夏の璉珹寺を彩る花として知られます。オオヤマレンゲを漢字で書くと、「大山蓮華」となります。芳香を放つ天女の姿を思わせ、山に咲く蓮に似た白い花・・・蓮に似ていることから蓮華という名前が付いています。お寺の方にもお伺いしましたが、オオヤマレンゲは蓮華ではなくモクレン科に属しています。
今回の奈良散策の目的は、興福寺南円堂の国宝である不空羂索観音菩薩坐像を拝観することでした。南円堂を訪れてみると、綺麗な藤の花が出迎えてくれました。
ニオイバンマツリの花期は5月~7月とされます。
花の色は紫色から徐々に白色に変化していく特徴があります。満開の頃には紫と白の見事な咲きっぷりを楽しむことができます。ニオイバンマツリと言うからには匂いが強いのだろうと推測するのですが、その甘い香りは夜になると一層強くなるそうです。
漢字表記の匂蕃茉莉(においばんまつり)の「蕃」は外国を、「茉莉」はジャスミンを意味しています。こうやって外来の花が古都奈良を彩っている。究極の日本らしさはいつもどこかで国際的な匂いを感じさせます。
奈良に都が遷る歴史以前の飛鳥の地にも、朝鮮半島の百済の影響が色濃く反映されています。東大寺大仏の落慶法要にも、数多くの外国人が招かれたと伝えられます。日本らしさは外国とのつながりを無視しては成り立たないのでしょうね。
璉珹寺の女人裸形阿弥陀仏の写真を門前に見ます。
光明皇后をモデルとする仏像なんだそうです。法華寺の十一面観音像も光明皇后をモデルとしていましたよね。女性らしい色艶を感じさせる仏像です。門前の阿弥陀如来立像の写真を見ているだけでも、法華寺のご本尊とどこかよく似た空気が伝わって参ります。
女人裸形阿弥陀仏の御姿をよく見てみると、下半身に袴をまとっていらっしゃいますが、この袴は50年に一度だけ未婚の女性によって取り替えられる慣わしです。現在の袴は平成10年に取り替えられたばかりで、次回は平成60年まで待たれます。
オオヤマレンゲが満開を迎えたタイミングで次回は訪れてみたいですね。
璉珹寺へのアクセスは、JR・近鉄奈良駅から市内循環(外回り)バス「紀寺町」を下車して徒歩2分となっています。元興寺の東の門から南へ歩いて行くのもいいでしょうね。さほど遠くはありませんので、ウォーキングがてら参詣されることをおすすめ致します。
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