紅葉の名所として知られる瑜伽神社。
瑜伽神社と書いて、「ゆうが じんじゃ」と読みます。
瑜伽神社の拝殿。
場所は奈良ホテルの東側 ~ 興福寺の大乗院庭園の東に佇む瑜伽山(ゆがやま)中腹に鎮座しています。
一の鳥居の向こう側に二の鳥居も見えます。
室町時代中期の西方院山城の跡とされます。その昔、お城も築かれていたエリアなんですね。
二の鳥居から拝殿までは長い石段が続きます。
振り返ってみると、なかなか良い眺めが楽しめます。
飛鳥神並社。
瑜伽神社のある一帯は平城の飛鳥(ならのあすか)と呼ばれています。
奈良の歴史を紐解けば、平城遷都のその前は飛鳥に都がありました。飛鳥は奈良よりも古い都・・・”飛鳥古京”なのです。
瑜伽神社は平城遷都に際し、元興寺と共に奈良に遷されてきた飛鳥の神奈備なのです。
元興寺禅定院の鬼門除けの鎮守社として、元宮(飛鳥)に対する今宮、新宮と称されていました。中世になって、禅定院内に興福寺大乗院が移されたときその鎮守社となり、社名も興福寺が重視した瑜伽論(ゆがろん)にちなんで改称されました。
瑜伽神社の名前の由来は瑜伽論にあったのです。
瑜伽とは結びつくこと、結びつけることを意味し、「相応」とも訳されます。瞑想的合一・・・瞑想によって一体感を修得する。そう、健康法のヨガに通じる教えなのです。
瑜伽神社とヨガの関係(笑)
もちろん、直接的な関係ではありませんが、その成り立ちを探っていけば、どこかでつながっている瑜伽神社とヨガ。ちょっとした奈良トリビアですよね。
飛鳥乃御井。
拝殿向かって右側に井戸がありました。
井戸にも「飛鳥」の名前が冠されています。故郷の飛鳥を懐かしむ奈良の人々の心模様が反映されているのでしょうか。
飛鳥の御井は高い場所にあるにも関わらず、一度も枯れたことがないそうです。昔の官人たちが野点に使用したとも伝えられます。
そう言えば、飛鳥寺の近くの飛鳥坐神社にも井戸があります。
その名も飛鳥井。
何かつながりがあるのでしょうか。
ここは奈良。奈良であるにも関わらず、「飛鳥」の文字があちこちに見られます。瑜伽神社の近くに、飛鳥小学校という名前の小学校まであります。
瑜伽大権現。
奈良市の西に位置する生駒市内にも、飛鳥野や飛鳥台といった「飛鳥」にまつわる地名が残されています。
飛鳥のノスタルジーが色濃く残されている瑜伽神社境内。
境内には大伴坂上郎女(大伴旅人の妹)の歌碑が建っています。この場所から元興寺の里を眺めて詠んだ歌とされます。
ふる里の 飛鳥はあれど 青丹よし 平城(なら)の飛鳥を 見らくよしも
<元興寺観光ガイド情報>
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