町家の芸術祭が三輪の町をアーティスティックに彩ります。
HANART はならぁと 2012 開催中の11月初旬、海石榴市で知られる三輪坐恵比須神社を訪れてみました。
恵比須神社の社務所の中で、不思議な映像が流れていました。
どこか不安を煽るミステリアスなその映像は見る者を釘付けにします。今回のHANARTに出展した映像作家のお名前は、OG production 代表の今村知也さん。作品を鑑賞しながら、ご本人から色々解説をして頂きました。
恵比須神社のイメージは赤色なんだそうです。
七福神の恵比須さんには赤い鯛がよく似合います。恵比須神社の初市でも、鯛引き行列に使われる鯛は赤い色をしています。社務所の内部を生命と捉え、まるで生き物の内部に入り込んだような空間が創作されています。恵比須神社に呑み込まれたら、ちょうどこんな感じになるんでしょうか。
境内には、これまた摩訶不思議なオブジェが展示されています。
飛鳥の高松塚古墳や川原寺跡に於いて、これとよく似たアート展が開催されていたのを思い出します。やはり秋は芸術の季節なんですね。歴史ある奈良と斬新なアートの融合が、新たな観光需要の掘り起こしに寄与していくのかもしれません。
社務所の廊下にも不思議な映像が(笑)
社務所の脇が入口になっていて、靴を脱いで建物の内部へと入っていきます。真っすぐ伸びた廊下の先にこの映像が流されていました。左手を見ると、普段は直会会場として使われているお座敷の襖に、映写機を使って映像が映し出されていました。ちょうど襖をスクリーン代わりにする格好です。
こんな感じです。
たくさんの蝶が束になって舞い降りてきます。
個人的な感想ですが、蝶にはエキゾチックな印象を受けます。それに反し、トンボはどこか日本的な情景と重なります。大和の連なる山々を、トンボが連なって飛ぶ様に例えた蜻蛉島(あきづしま)は有名ですよね。
後で作家の今村さんにお伺いすると、これは蝶ではなく蛾なんだそうです(笑) まぁ、蝶でも蛾でも、感じたままを受け取るのが芸術鑑賞というものですからお許し下さい。
「嵐で海石榴市もなくなってしまった」 と書かれていますね。
鐘楼から拝殿へ続く石畳の上に、延々と文字の続く巻物が広げられていました。その昔、初瀬川の氾濫によって、金屋の海石榴市から現在の三輪の地に遷されたという史実に基づく表現なのかもしれません。
拝殿向って右側にある社務所。
宮司さんのお計らいもあり、生まれて初めて社務所の中に入らせて頂きました。三輪の地に生まれ育った私ですが、実は社務所の中に入るのは今回が初めてでした。記念すべき一日となりました。恵比須神社宮司さん、HANARART関係者の皆さん、この度はどうもありがとうございました。この場をお借り致しましてお礼申し上げます。
画面上部から口紅と髪の毛が舞い降りてきます。
見れば見るほど不思議な映像です。
歴史を感じさせる町家の池田家、今西家も開放され、昔ながらの三輪の町並みが楽しめるHANARARTのイベント。開催期間は11/1(木)~11(日)となっています。
お問合わせ窓口 ; TEL 0744-42-6003