ご宿泊頂くお客様から、よく 「今日も開いていなかった」 と耳にする大神神社の宝物収蔵庫。そうなんです、宝物収蔵庫の開館日は限られていて、月詣りの毎月1日と土曜、日曜、祝日及び1月1日~5日となっています。
かく言う私も、週末には仕事をしているせいか、まだ一度も宝物収蔵庫の中に入ったことがありませんでした。今回晴れて、第一回目の宝物収蔵庫入館を果たして参りました。
大神神社宝物収蔵庫。
祈祷殿、儀式殿の前にある建物で、初夏のささゆり園見物の際には、いつも入口の右手に見えている重厚な建造物です。いかにも宝物が眠っていそうな、そんな感じを抱かせます。
たまたま私が訪れた時は、幸運にも無料拝観ができる日でした。
普段の拝観料は大人200円、小人100円(高校生以下)となっています。30人以上の入館で団体割引が適用され、大人150円、小人70円となります。
今回の見学で一番印象に残ったのは、大神神社一の鳥居に置かれていた石灯籠の亀でしょうか。
今となっては宝物収蔵庫に保管されている亀ですが、昔は一の鳥居で参拝客を出迎えていたかと思うと、なぜここに移されてきたのか?勿体無いなと正直思ってしまいました。時の隔たりを感じさせる一コマです。
室町時代の三輪山絵図も見所の一つです。
当時の大神神社周辺の地図が如実に描かれていて、三輪山ファンにはおすすめの展示品です。禁足地出土の子持勾玉など、おなじみの宝物も収められていました。吉祥のシンボルとされる松喰鶴文鏡(まつくいづるもんきょう)なども注目に値します。
東大寺ミュージアムの玄関口で出迎えてくれた花喰鳥同様、縁起のいい印とされます。大神神社宝物収蔵庫のパンフレットにも、「翠(みどり)を替えぬ松と、千年を寿ぐ鶴との目出たい組み合わせ」 と解説されています。
年頭を飾る繞道祭の松明でしょうか。
全国で最初に行われる神事として知られる大神神社のご神火祭り(繞道祭)。お正月前になると、拝殿に松明が飾られているのを見かけたことがありますが、11月中旬過ぎのことでしたが、宝物収蔵庫の外に置かれていました。
伝世の神宝類として県指定文化財にもなっている大国主大神木造(おおくにぬしのおおかみもくぞう)も収蔵されています。神仏習合によって大国主神と大黒天は同体とされますが、宝物収蔵庫の大国主大神木造を見ていると、どこか大黒天の姿に似ているように思われます。
宝物収蔵庫から北へ下る道を下りて左折すれば、若宮さんの祀られる若宮神社へと続きます。
<大神神社の境内地図>
お問合わせ窓口 ; TEL 0744-42-6003