核家族化が進む中、一家団欒の温もりを取り戻す機会にもなっている家族旅行。
三世代同居の家族が減少している昨今ですが、一年に一度ぐらいは家族揃っての旅行を計画してみるのもいいのではないでしょうか。そこで、和気あいあいと三世代揃って楽しめる「山の辺の道」を家族旅行の行き先としておすすめ致します。
景行天皇陵と梅の花。
家族旅行の目的地選びは、三世代の間で意見の分かれるところだと思われます。
USJなどのテーマパークでは、さすがにお祖父さん・お祖母さんに負担が掛かりそうですし、神社仏閣ではお孫さんが楽しめそうにありません。奈良公園界隈を散策しながら鹿とたわむれる定番コースもありますが、日本最古の道と言われる山の辺の道を歩くことで、いにしえの時代に思いを馳せながら、なおかつ健康的なウォーキングも楽しむことができるのではないでしょうか。
空気の綺麗な山裾の道は、お孫さんたちにとってもまたとない行楽の機会となります。
山の辺の道の途上にある額田王の万葉歌碑。
山の辺の道の伸びて行く先に、神奈備で知られる三輪山を望みます。
子供の数も減少傾向にあり、一人っ子が増えています。私の周りの小学校においても、一学級の生徒数が30年前から比べると半減しています。大学全入時代という言葉も新聞紙面で見られるようになり、私たちの世代が経験した受験戦争もどこかへ行ってしまったような気が致します。
相撲神社境内の石灯籠。
相撲発祥の地とされる相撲神社が、山の辺の道の正規ルートから少し北へ外れた場所に鎮まります。ジェネレーションギャップの最たるものが相撲なのではないか、そんな感慨を抱く昨今です。
今の子供たちの間ではサッカーに人気が集まっています。
国民栄誉賞を授与された大鵬が、奉納土俵入りを披露した相撲神社。
剛の柏戸に柔の大鵬。好対照の人気力士に湧いたかつての日本は、高度経済成長期の真っ只中にありました。ハワイ出身の力士が活躍し、現在ではモンゴル出身の力士が幅を利かせる日本の相撲界。八百長問題もあって、一時の相撲人気に陰りが見えます。
山の辺の道の石標。
マンチェスターユナイテッドの香川やルーニーのことは知っていても、横綱の白鳳のことは知らない。そんな子供たちが増えています。山の辺の道を歩きながら、そんな世代間格差を埋める作業も面白いのではないでしょうか。
アスファルトの上ではない地道を歩きながら、野に咲く花を愛でる。楽しい思い出を語り合いながら、家族の未来に思いを馳せる。そんな解き放たれた空間を山の辺の道は提供してくれます。
三輪山と梅の花。
お弁当を持参して歩くのもいいでしょう。
童心に返って、昔の遠足の雰囲気が楽しめます。持参する弁当はコンビニ弁当ではなく、やはり手作りの弁当がおすすめです。少々荷物にはなりますが、代え難い価値があるのではないでしょうか。
天理から桜井までの15㎞を歩く山の辺の道。
山の辺の道の途中でリタイアしても構いません。山の辺の道の正規ルートから西へ進めば、国道169号線が通っていてバスを利用することもできます。ご家族の体調と相談し合いながら、思い出深い家族旅行になることを願っています。
<山の辺の道の観光案内>
山の辺の道ハイキング 「奈良旅館観光ガイド大正楼」
夜都岐神社 天理市乙木町の北方、たいこ山に鎮座
檜原神社の三ツ鳥居 聖地・元伊勢に建つ三輪鳥居
穴師と檜原神社の間の万葉歌碑 万葉歌人柿本人麻呂
相撲神社の野見宿禰 相撲の始祖を祀るお社
お問合わせ窓口 ; TEL 0744-42-6003