神武伝承の八咫烏神社をご案内致します。
奈良県宇陀市榛原区高塚に鎮座する八咫烏神社。
日本サッカー界にとっても縁の深い神社ですよね。
境内に置かれている八咫烏像。
サッカーボールを頭の上に乗せてヘディングしていますね(笑)
神武天皇が大和入りする際、熊野の山中で停滞する御一行を大和へと道案内した勝利の神様・・・それが八咫烏(やたがらす)に化身した御祭神の建角身命(たけつぬみのみこと)であったと伝えられます。
勝利へと導いた神様ということで、スポーツの必勝祈願や安全祈願の神社として名を馳せています。
やたがらすの名前をそのままに冠した地酒もあります。
そう言えば、近鉄岡寺駅の近くに八咫烏大明神という社がありましたが、八咫烏神社とも何か関係があるのでしょうか。
それにしても、愛嬌たっぷりの八咫烏像ですね。
八咫烏とは、”八アタ烏”のことを意味します。アタとは昔の尺度の単位で、親指と中指を広げた長さのことを指します。つまり、それぐらいの大きさのカラスということですね。
カラスの足元にはお賽銭が。
八咫烏の導きで吉野・宇陀へと至った神武御一行は、宇陀のオトウカシや久米部の協力を得て登美毘古を滅ぼし、国中を平定して即位したと伝えられます。
八咫烏神社の鳥居下にあった道標。
北へ向かえば、近鉄榛原駅まで3.5㎞の地点にあるようです。南の方角には伊那佐文化センターと記されています。
禊川に架かる朱色の橋の向こうに八咫烏神社が鎮座します。
駐車場は神社の手前右側にあるんですが、道路に面した一の鳥居と写真の朱色の橋を車で通過する必要があります。鳥居の下を車でくぐり抜けるわけですが、対向できないほどの狭い道ですので、対向車がある場合は注意が必要ですね。
八咫烏神社の創建は慶雲3年(706)。
南北朝時代には後醍醐天皇の篤い信仰によって栄えた時期もありましたが、その後は振るわず、江戸時代中期まで廃絶寸前の状態が続いたそうです。
それを救ったのが、京都の下鴨神社だったと伝えられます。
江戸時代の文政年間に下鴨神社の神官の目にとまり、その働きかけと在郷有志の協力によって見事再興を果たしました。八咫烏神社の紋は、下鴨神社と同じ「葵」をかたどった紋になっています。
賀茂氏は八咫烏の子孫だとも伝えられます。
歴史を紐解けば、不思議なつながりが見えてくるものです。
八咫烏神社へのアクセスは、近鉄榛原駅南口改札より奈良交通バス菟田野行き「高塚」バス停下車、所要時間は10分足らずとなっています。
お問合わせ窓口 ; TEL 0744-42-6003