飛鳥時代や奈良時代にはガラスが盛んに鋳造されていたと言われます。
古代の工房跡からもガラス玉の鋳型が出土しており、明日香村埋蔵文化財展示室などでは古代ガラス製作体験もできるようになっています。以前から興味のあった古代ガラスなんですが、その制作過程を偲ばせるガラス玉鋳型が桜井市立埋蔵文化財センターに展示されていました。
ガラス玉鋳型。
まるで蜂の巣を思わせる形状です。小さな穴が無数に開いています。この中に熱いガラスを流し込むんでしょうね。蛙の卵とでも形容したらいいのでしょうか。一つ一つの丸い穴の真ん中に、さらに小さな穴が見えます。ガラス玉に紐を通すための工夫なのでしょうか。
上之宮遺跡の文字が見えますね。桜井市の上之宮遺跡の出土品からは、ガラスの付着した遺物が発見されています。
古代人の丁寧な仕事ぶりが伝わってくる出土品です。
古代ガラス製作体験ができる明日香村埋蔵文化財展示室。
明日香村の産直販売所が近くにあり、広い駐車場も用意されています。飛鳥寺や飛鳥坐神社にも程近く、観光客の姿も散見されます。古代ガラスの製作体験は、確か明日香民俗資料館横の真神荘に於いても実施されていたように記憶しています。
飛鳥池遺跡の発掘調査によっても、ガラス鋳造の痕跡が多数見つかっています。
ガラス玉は仏像の首飾りや人間の装身具に使われたのでしょうか。
如来像は至って質素ですが、菩薩像の首周りには煌びやかなネックレスが飾られています。庶民の元まで下りて来て、救いの手を差し伸べて下さる菩薩様。民衆に近い存在の菩薩ですから、より親近感を覚える格好をしておられます。
そんな菩薩像をはじめとする仏像を飾るためにガラス玉が使用されたのでしょうか。
桜井市立埋蔵文化財センターに展示されていた箸墓古墳とホケノ山古墳の位置関係。
どちらも前方後円墳ですが、向きが異なっていますね。
大きな古墳は、人の目線では十分に見学することができません。やはり上空から俯瞰するのが一番です。
ミニチュア炊飯具も展示されていました。
面白いですね、古代人の生活が浮き彫りにされます。普段の生活用品には、古墳や遺跡には無い息吹のようなものが感じられます。生活の匂いが感じられるこれらの出土品を見学しながら、改めて歴史の深さに感じ入った次第です。
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