東大寺鎮守の神様として知られる手向山八幡宮。
東大寺大仏殿の右手前を登って行くと、宇佐八幡宮より勧請された手向山八幡宮が鎮座しています。境内に入ると、あまり見慣れない形の絵馬に出会いました。
手向山八幡宮の立絵馬の土鈴。
立絵馬の図柄は、手向山八幡宮の御祭神である応神天皇が寵愛した「あつふさ」という黒馬に、八幡宮御神宝の「唐鞍」の馬飾りを簡略化したものが描かれています。
奈良時代へ遡ると、雨乞いの時には黒馬を奉納し、晴天を祈願する時には白馬を献じる風習がありました。絵馬の起源にもなった神馬(しんめ)は、京都の伏見稲荷大社や八坂神社にも見られます。時代を経て、生きた馬を献じる代わりに描いた絵馬を奉納するようになり、明治時代には現在の立絵馬になったと伝えられます。
手向山八幡宮の境内から南へ向かうと、若草山の麓へとアクセスします。東大寺大仏殿の東の上手に位置する手向山八幡宮。東大寺参拝の際には、是非とも訪れておきたい名所です。
東大寺三月堂(法華堂)前に咲くさるすべりの花。
向こうに見えているのが、手向山八幡宮の鳥居です。
手向山八幡宮の鳩絵馬。
立絵馬と共に目を引いたのが、御神紋の鳩がデザインされた鳩絵馬。
二羽のハトの真ん中にハートが描かれていますね。向かい鳩の紋は、戦いの神様である八幡大菩薩の象徴です。勝利を呼ぶ瑞鳥とされるハトですが、そこに恋愛や結婚をイメージさせるハートが描かれているのには少し驚きました(笑)向かい蝶の紋なども二羽の蝶が向かい合っているわけですが、お互いに向き合う形の紋は、もうそれだけで男女の仲を想像させるものなのかもしれませんね。
鳩絵馬の料金は200円のようです。
ここを抜けると、真正面に手向山八幡宮の本殿が鎮まります。
大仏殿東の鐘楼、俊乗堂、行基堂などのエリアを抜け、さらに石段を登ると、二月堂や三月堂等の堂宇が建ち並んでいます。三月堂から若草山へ向かう途中に、東大寺を見守るようにひっそりと佇む手向山八幡宮。
応神天皇が寵愛したと伝えられる黒馬。
黒馬と言うからには、雨乞い祈願に使われたのでしょうか。
手向山八幡宮鳥居下の狛犬から東大寺三月堂方面を望みます。
この場所から右手へ登って行くと、東大寺の不動堂が佇んでいます。不動堂からそのまま道伝いに下りて行くと、東大寺二月堂へと続いています。
愛嬌の感じられる鳩絵馬です。
八幡神使(はちまんしんし)の鳩に願いを託します。
よく見てみると、八幡神の「八」の字をイメージさせる御紋にも映ります。末広がりの八に願いを託し、無限大の8にあやかったご利益に授かれますように。
絵馬の歴史を感じさせる立絵馬に、キャラの際立つ鳩絵馬。手向山八幡宮を参拝するなら、是非その絵馬にも注目してみたいところです。
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