興福寺の南円堂創建1,200年を記念して開催されている国宝特別公開2013。
招待券を手にして、晴れ渡る初夏の興福寺を訪れてみました。
記念品として進呈された緑色のエコバッグと共に、重要文化財の興福寺南円堂を撮影。
記念のエコバッグには、雲のたなびく興福寺五重塔と、北円堂らしき建物の周りに鹿が四頭デザインされています。英語で、KOHFUKUJI TEMPLE SPECIAL EXHIBITION OF NATIONAL TREASURES 2013 と記され、2013年度の記念グッズであることを証明しています。
エコバッグの他にも、再建中の中金堂で使用している材木の余材を刻み、それに白檀、龍脳等々の天然香料を配合したにおい袋を頂きました。帰宅後に机の引き出しに入れておきましたが、今も心落ち着く香りを放ちます。
興福寺国宝特別公開のパンフレット。
「ここでなら、通じる祈りがある」のキャッチフレーズと共に、南円堂のご本尊である不空羂索観音像が表紙に採用されています。眉間にも目があり、第三の目を持つ国宝の仏像です。
南円堂から望む興福寺三重塔。
興福寺境内の中では目立たない場所に建つ国宝の三重塔。このアングルから三重塔を見るのは初めてです。例年であれば、毎年10月17日のみに一般公開される南円堂ですから、滅多なことではこの角度から三重塔を眺めることはできません。
南円堂の中へ入る前に、この場所でしばし立ち止まってしまいました(笑)
南円堂をぐるっと回ると、入口近くのスタッフの方が見えて参りました。向こう側に復元工事中の中金堂が見えます。南円堂の後に拝観させてもらった北円堂の周りも工事が進められていて、大がかりな再建工事が興福寺全体で順調に行われている様子が伺えます。
不空羂索観音菩薩坐像の第三の目が確認できます。
鎌倉時代の康慶作の仏像。
康慶は鎌倉時代の名仏師・運慶の父に当たる人物です。
射抜かれるような第三の目。ありとあらゆる衆生を救うために最善の策を練られているような、優しくて鋭い目です。縦長にぎゅっと額に走る目は、お顔全体の表情を引き締めています。
不空羂索観音菩薩坐像が身にまとう鹿皮は、藤原氏の氏神である春日大社との関係において、特に藤原氏の信仰を集めていたと伝えられます。
南円堂の前の藤棚には、綺麗な藤の花が垂れ下ります。
西国三十三所の第九番札所である興福寺南円堂。弘仁4年に当たる813年に藤原冬嗣が父内麻呂追善のために建立しました。
興福寺五重塔の前には、いつものように奈良公園の鹿が戯れています。
5月ということもあってか、興福寺境内には多くの修学旅行生の姿が見られます。いつの時代も、奈良の鹿は修学旅行生たちのアイドルです。
髪の毛を高く結い上げる不空羂索観音菩薩坐像。
頭上に頂く宝冠には、阿弥陀如来の化仏を付けています。
ご本尊の周囲には、これも国宝の四天王立像が佇みます。東に持国天、南に増長天、西に広目天、北に多聞天が配置され、中央の空羂索観音菩薩坐像を守護しています。
興福寺を拝観した後、奈良町を抜けて南へ進み、璉珹寺に咲くオオヤマレンゲの蕾を観賞致しました。開花まではもう少し掛かるとのことで、タイミングをずらしてまた訪れてみたいなと思います。
<興福寺の関連情報>
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