金峯山寺蔵王堂の向かって左手前に久富大明神が鎮まります。
あまり聞き慣れない神様だなと思って調べてみると、東京都世田谷区に鎮座する久富稲荷神社に行き着きました。何か関係があるのでしょうか。
金峯山寺境内の久富大明神。
鳥居が三つ並んだ奥に祠が見えます。鳥居が幾重にも連なっているところを見ると、京都の伏見稲荷大社を思い起こします。伏見さんの千本鳥居とまではいかなくとも、ちゃんとお行儀良く三本の鳥居が並んでいます。
祠の前には狐も陣取ります。
これはもうお稲荷さんに違いありません。
鋭い目をした狐が巻物を口にくわえています。尻尾の先が豊かにふくらんで、どこかしら商売繁盛の匂いを感じさせます。
吉野山のシンボルとして参拝客を出迎える金峯山寺蔵王堂。
東京の久富稲荷神社の御祭神は大宮女(おおみやめ)、宇迦之魂(うかのみたま)、猿田彦です。橿原神宮の境内に祀られている長山稲荷社にも、穀霊神の宇迦之魂が祀られていたことを思い出します。
五穀豊穣、商売繁盛がイメージされますね。
久富大明神。
名前からして福々しい印象を受けます。
東京の久富稲荷神社は、伏見稲荷大社の御霊を賜る形で祀られています。おそらくここ金峯山寺の久富大明神の御霊も、京都の伏見さんから賜っているのではないでしょうか。
金峯山寺参拝の際は、久富大明神にもお参りされることをおすすめ致します。
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