般若寺の楼門を右手に見ながら奈良坂を登って行くと、古式ゆかしい奈良豆比古神社が左手に姿を現わします。
奈良豆比古神社。
面白い名前の神社です(笑)
奈良豆比古(ならずひこ)神社と読みます。
絵馬と蛙股。
奈良豆比古神社と言えば、毎年10月8日に催される翁舞(おきなまい)が有名です。
翁舞の写真が絵馬の横に掲げられていました。
芸能と言うよりは、神様にひっそりと捧げられる舞として知られます。五流能としても最も基本的で、神聖な舞であると言われています。
奈良観光と言えば、東大寺・興福寺・奈良公園一帯の人気エリアをすぐに思い浮かべますが、少し北へ足を伸ばせば、奈良豆比古神社をはじめ数多くの文化遺産が残されていることに気付かされます。
謡曲の源流も、奈良豆比古神社の翁舞に求められるのではないかと言われます。
神事としての古風な舞には、数多くの原点が眠っているのかもしれませんね。
境内の裏手には、大きな楠(くすのき)が鎮まります。
まさしくこれぞ御神木、という出で立ちです。
奈良豆比古神社の翁舞の由来は、天智天皇の孫に当たる春日王が病に罹られた時に遡ります・・・ その際、浄人・安貴の二皇子が父の病気平癒を奈良豆比古の神に祈願し、舞を奉納したのが始まりとされます。
伝統芸能もここまで歴史があると、思わず頭が下がる思いです。
拝殿へ向かいます。
奈良豆比古神社は、立地的に東大寺の北西方向に鎮座しています。
いつもとは少し違った観光ルートを辿ってみるのも、新たな発見があって面白いのではないでしょうか。
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